
Manus、ローカルPCを直接操作できる「My Computer」機能を発表 クラウドAIエージェントがデスクトップへ
AIエージェントサービスを提供するManusは3月16日、新機能「My Computer」を発表した。新しいManus Desktopアプリを通じて、AIエージェントがユーザーのローカルコンピューターに直接アクセスし、ファイル操作やアプリケーションの実行などを行えるようになる。
これまでManusはクラウド上のサンドボックス環境で動作していた。ネットワーク、コマンドライン、ファイルシステム、ブラウザなどを備えた隔離環境で作業する仕組みだったが、ユーザーの重要な作業データはローカルPCに保存されているケースが多く、クラウドとの間に機能的な隔たりがあった。
今回のMy Computerは、そのギャップを埋めることを目的としている。Manus Desktopを利用することで、AIエージェントがユーザーのPCのターミナルからコマンドライン(CLI)を実行し、ローカルファイルの読み込み・分析・編集や、アプリケーションの起動・操作が可能になる。
例えば、パソコン内にある大量の写真をAIが内容ごとに自動分類してフォルダ整理したり、数百件の請求書ファイルを指定フォーマットに一括リネームするといった作業を自動化できる。こうした手作業では時間のかかる反復作業を、数分で処理できるという。
さらに、コマンドライン経由でローカルの開発ツールを利用できるため、ソフトウェア開発の自動化にも対応する。Manusの社内テストでは、AIがMac上でSwiftを使ったリアルタイム会議翻訳アプリを構築し、プロジェクト作成からコーディング、デバッグ、パッケージングまでを約20分で完了させたとしている。
また、ユーザーのPCにあるGPUなどの計算資源も活用可能だ。例えば、常時起動している小型PCをAIの常駐ワーカーとして利用し、機械学習モデルのトレーニングや大規模言語モデルの推論処理を行うことも想定されている。PCの電源が入っておりManus Desktopが稼働していれば、スマートフォンなど別のデバイスから遠隔でタスクを指示できる。
クラウドサービスとの連携も強化されている。ManusはすでにGmailやGoogle Calendarなどと統合されており、例えば外出先から自宅PCの契約書ファイルを検索して取得し、そのままメールで送信する、といったワークフローが可能になるという。
セキュリティ面では、AIが実行するターミナルコマンドはすべてユーザーの承認が必要となる設計を採用した。「Allow Once」または「Always Allow」の選択により、個別承認または継続許可を設定できる。
My ComputerはmacOSおよびWindows向けに提供される。Manusは今回の機能について、「AIエージェントは単なるチャットツールではなく、実際に作業を実行する“アクションエンジン”である」としており、クラウドとローカル環境を統合することで、より高度な自動化ワークフローの実現を目指すとしている。

Fumi Nozawa
デジタルマーケター & ストラテジスト
Paul Smith、Boucheronといったグローバルブランドでデジタルマーケティングを担当。現在は海外を拠点に、戦略設計からWeb実装までを牽引。マーケターとしての視点とテクノロジーへの理解を活かし、欧米企業の日本進出やブランド成長を支援しています。
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